三大栄養素って何?
【三大栄養素】
①炭水化物 → 糖質 + 食物繊維
②タンパク質 → アミノ酸
③脂質 → 脂肪酸
食事に含まれる栄養素は、消化管を通るときに少しずつ分解されて体内に吸収されていきます。分かりにくいと思うので、逆転して考えてください!
①糖質がたくさんつながっているもの + 食物繊維 → 炭水化物
②アミノ酸がたくさん含まれて繋がっているもの → タンパク質
④様々な脂肪酸がくっついているもの → 脂質
一つの塊の単位を、糖質・アミノ酸・脂肪酸 と呼びます。厳密な話になると 糖質・アミノ酸・脂肪酸 これらも、さらに細かい単位と種類があります。今回はこの中の糖質のみにフォーカスしていきます!
糖質とは?
【図解1】
糖質の3糖類以上というのは、単糖類が3つ繋がっている とか 二糖類と単糖類が繋がっている とかの状態です。実際の炭水化物は繋がり部分が多く巨大分子となっています。(下図参照)(実際は、図解2よりたくさん繋がっていて大きい分子になってます。)
【図解2】
糖類がたくさんつながっている状態が、糖質です。そして、逆に言うと食事で炭水化物を摂ると、消化によって糖質の分解が進み 単糖類など の小さい分子になり、血液中を流れます。色々と書くとややこしいので、血糖値にの影響の大きいブドウ糖(グルコース)に関してフォーカスしていきます!(教科書では無いので、ややこしい部分は省略します。)
血糖値について
【血糖値】
血液内のグルコース(ブドウ糖)の濃度である。健常なヒトの場合、空腹時血糖値はおおよそ80-100 mg/dL程度であり、食後は若干高い値を示す。
ヒトの血糖値は、血糖値を下げるインスリン、血糖値をあげるグルカゴン、アドレナリン、コルチゾール、成長ホルモンといったホルモンにより、非常に狭い範囲の正常値に保たれている。体内におけるグルコースはエネルギー源として重要である反面、高濃度のグルコースは糖化反応を引き起こし微小血管に障害を与え生体に有害であるため、インスリンなどによりその濃度(血糖)が常に一定範囲に保たれている。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
炭水化物を食事から摂取すると、体内で分解(【図解2】で繋がっている部分が切れる)されて、多くは単糖類の一種のグルコース(ブドウ糖)になります。分解が進み一つ一つが小さい分子になり、小腸で栄養素が取り込まれ血液中に流れて様々な臓器に運ばれ ⇒使用されたり、貯蔵されたり・・・と運ばれた先によって使われ方は様々です。
血液中のグルコースの量のことを “血糖値” と呼びます。ウィキペディアにも記載があるように、健康な方の血糖値の数値の基準が設けられています。そして、血液中の血糖値を下げてくれるホルモンが一種類しか無く代替えがありません。それなので、血糖値をコントロールする = インシュリン のコントロールすることに繋がります。
インシュリンについて
【インシュリン】
膵臓のβ細胞で産生されるペプチドホルモンである。血中を流れるブドウ糖が、肝臓、脂肪細胞、骨格筋細胞に取り込まれるよう促し、炭水化物、タンパク質、脂肪の代謝を調節する[7]。これらの細胞に取り込まれたブドウ糖は、グリコーゲン(Glycogen)に合成されるか、脂肪生成作業(Lipogenesis)を経て中性脂肪に合成される。肝臓においては、グリコーゲンと脂肪の両方に合成される[7]。肝臓ではグリコーゲンの分解に伴うブドウ糖の生成作業(糖新生)と分泌が起こるが、血中のインスリン濃度が高いとき、これは強力に阻害される[8]。血中を循環するインスリンは、身体のさまざまな組織におけるタンパク質の合成にも影響を及ぼし、血液中の小分子から細胞内の大分子への変換も促進する。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
血液中にグルグルと巡るグルコースですが、これから細胞に吸収されないと使うことが出来ません。そこで出てくるのが “インシュリン” です。グルコースを細胞に取り込んでくれる役割を担ってくれています。←何かに気づきませんか?。そうです!グルコースは、各臓器で使われる一方で、余ったグルコースは “餓鬼” 状態でも生命を維持するため貯蔵されるんです。これが炭水化物で痩せていく・太っていくメカニズムになります。『糖質制限で痩せていく』のは、この作用をうまく利用しています。(実に人の体は、よく出来ていますよね!エネルギーを使うことも溜めることも出来るんですよ)
血糖値が高い状態のときは、インシュリンがたくさん分泌され血糖値を下げる作用を発揮します。また逆に血糖値が低い状態のときは、インシュリンはあまり分泌されない状態になっています。これを糖質制限の理論に載せると・・・
インシュリンがたくさん分泌されている人ほど、グルコースを細胞に取り込み使い切れないエネルギーが貯蔵され脂肪に変わり太りやすく・・・逆に食事をとってもインシュリンがあまり出ない方ほど、グルコースが細胞に取り込まれないのでエネルギーが貯蔵されないので太りにくい って感じになります。
※余談ですが、大食いで太りにくい体質の方は 血糖値が上がりにくい と言われれいるようですよ!(血糖値が高くなりにくいということは、きっとグルコースまで分解されてないのかもしれないですね!(←悪まで推測ですが))
【糖尿病】
医療では、血糖値が上がり過ぎてしまう状態の場合は、糖尿病として診断される基準になります。インシュリンはウィキペディアに書いてある通り膵臓から分泌されるホルモンの一種になります。炭水化物を摂取するとインシュリンが分泌されますが、その作用にも限界がくることがあります。うまくインシュリンが分泌されない状態ですと、血液中にグルコースがたくさん含まれている状態(イメージするなら、水の中に溶けきれないぐらいの砂糖を溶かすと液体がベタベタとしますよね?水を血液と仮定すればこれが “ドロドロの血液” と言われる状態になります)ですので、細い血管(毛細血管と呼ばれます)が詰まることにより、毛細血管が多い部位に支障が出ます。
臓器も稼働させ続けると疲れてしまうので、注意して下さいね。
食後の眠気の原因
さて、血糖値・インシュリンの話を長々してきましたが『結局のところ、眠気ってどうなのよ?』という話ですが、現在言われている原因は3つあります。
血糖値の上昇と下降
【図解3】
健康な方であれば、インシュリンがちゃんと分泌されますので血糖値の大幅な変動はありませんが、血糖値の大幅な上下(乱高下=スパイク)があると眠気が出やすと言われています。(【図解3】の赤グラフ位の数値だと血糖値が高くなりすぎていますが、分かりやすいので使用しています)
大量の炭水化物を摂取することにより、一気に血糖値が上がることでインシュリンが大量に分泌され急激に血糖値が下がります。この激しい血糖値の変動が眠気や頭がボーとする原因の一つとして考えられています。
グルコースは体の中で他の成分より先にエネルギーとして使用されると言われていますので、食後に少し体を動かす方にはそれほど影響は強く出ない可能性が高いですが、デスクワークなどの体をあまり動かさない方からすると主にグルコースは脳で使用されると言われていますので、影響が出やすと思います。
もし食事よる眠気を少しでも抑えたいと思うのであれば、血糖値の変動をコントロールすると良いと思います。具体的には
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1食事の内容で、炭水化物の分量を少し減らして摂取する。
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2食事を食べる順番を炭水化物をなるべく最後に食べるようにしてみる。
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3食事をとるなら、よく噛んでゆっくり食べるように心がける。
上記は、血糖値が上がりにくい傾向にあると言われていますので、試してみてはいかがですか?
自律神経の影響による眠気
【図解4】
人間の活動に関して、『自律神経の働き』というものがあります。(【図解4】参照)。
食事を摂取することにより(【図解4】消化の部分を参照していただくとわかると思いますが)副交感神経へスイッチすると言われていますので、リラックス状態=眠気という現象が起こると言われています。
『交感神経・副交感神経のスイッチ』 に関しては、人がコントロール出来る部分ではありませんので調節することは出来ません。極端に食事の量を減らして消化の運動を抑えていくことで、少し副交感神経の優位を避けることが出来る可能性はありますが、食事をきちんと摂らない方が体によくありませんのでお勧め出来ません。
オレキシンと眠気の関係
【オレキシン】
オレキシン (orexin) は、1998年に発見された神経ペプチド[1]。「食欲」を意味するギリシャ語「orexis」から名付けられた[2](命名は櫻井武ら研究グループによるもの)。オレキシンAとオレキシンBがあり、Gタンパク質共役受容体であるオレキシン1受容体(OX1R)およびオレキシン2受容体(OX2R)に作用する。
ヒポクレチン (hypocretin) とも呼ばれる。視床下部外側野に存在する神経細胞が産生しているオレキシンは、食欲や報酬系に関わるほか、睡眠や覚醒を制御することが知られている。オレキシンをつくる神経細胞が消滅すると、ナルコレプシーという睡眠障害になる。
オレキシンは、ヒポクレチンとも呼ばれ、覚醒(arousal)、覚醒(目覚め、wakefulness)、食欲を制御していることで知られる[3]。ナルコレプシーのナルコレプシーのタイプ1型は、筋緊張の短期消失(cataplexy)を示すが、オレキシンを生産細胞の破壊によるオレキシンの不足に起因する。[4][5]
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
オレキシンは特定の神経から分泌されます。その作用としては
ポイント
①血糖値が上がるとオレキシンの作用がオフになる ⇒ 眠気が出やすくなる
②血糖値が下がるとオレキシンの作用がオンになる ⇒ 覚醒状態になる
オレキシンは血糖値の作用だけではありませんが、血糖値の変動により働きが良くなったり・悪くなったりしますので、これも食後の眠気に関係しています。結局のところ、血糖値のコントロールを上手に行うことで制御出来そうですね。
まとめ
今回、『食事の後にくる眠気』について説明しましたが、理解出来たでしょうか?
そもそも寝不足ですと何をしていても眠気が襲ってくると思いますが、普段の生活でそこまで寝不足でも無く『食後だけ眠い』と感じる方は血糖値をコントロールしてみてはいかがでしょうか?
糖質の目安としては
普段の食事の場合はおおむね ⇒ 一日270g~300g ぐらい摂取している と言われています。
糖質を抑えたい場合 ⇒ 一日70g~130g(1回量20g~40g) ぐらい
“糖質制限によるダイエット”による意見に関していえば、これは医療業界でも賛否両論あります。推奨する方、危ないと警告を出す方と様々です。まだ長期に渡る確立した大量のデータが存在しないため、判断が難しいところですね。
私個人の意見を述べるのであれば、『糖質制限も過度にやりすぎなければ、生活する上で有益な情報』 なのではないか?と考えています。何事も過度にやりすぎると体にはよくありません。その一方で、様々な情報が世の中にはあふれていますが、上手に情報の取捨選択が出来て使いこなすことが出来れば、生活するのにおいて良い効果も得られるのではないのでしょうか?
このブログが、あたなの生活の知恵として役立つといいな と思っています。
2023.10 雨粒